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鷺沼教会月刊誌 Communio (コムニオ 一致)

2003年7月号

2003年、歩んだ足跡を見つめ、そして前へ…… 

主任司祭 山野内 公司

聖母1.「マリアはこれらの出来事をすべて心に納めて思い巡らしていた」(ルカ2・19)
 この言葉を掲げて2003年をスタートし、日曜ごとにミサの中で祈りとして繰り返してきました。それからすでに半年経ちましたが、いかがでしょう。どの程度私たちの心に染み込み、日常生活の中で活かされているのでしょうか。すべて(嬉しかったことや悲しかったこと、理解できたことや理解できなかったこと、納得がいったことやいかなかったこと……)を心の中に納め、神様からの意味を見つけることができましたか。イエス様は「真理の霊」を送る約束をして下さいました。この霊の働きによって、私たちは神様が与えようとする意味を理解することができるとおっしゃいました。皆様も聖霊の働きによってこのような体験をなさっているのではないかと思います。私はこの6ヶ月の間、数人の方々から、年初に掲げた今年のテーマに関連する体験を聞かせていただきました。嬉しかったと同時に感謝しています。そのうちの一つを参考として紹介します。


 将来は声優になりたいという高校三年生の長男は、家族に内緒で、声優のオーディションを受けていました。一次合格の知らせに、父親と息子が話し合いの結果、とにかく二次は受けてみるという結論になりました。「もし合格したら学校を中退してでもやりたい。」息子はそう言いました。高校生活も残り僅か。あとは大学受験に向け、健康管理と入学金の準備が親の役目と思っていた私の頭の中で、その日から「中退」の二文字がグルグル回りはじめました。息子に「おはよう」も「おかえり」もどうしても口にできない。「何でなの。どうして中退なのよっ!」怒鳴りたいのを我慢するには、会話を避ける方法しかありませんでした。
 そして迎えた4月19日、息子はオーディションへ、私は教会へ。ご復活のミサにあずかりながら、私は息子のことばかり考えてしまい、ごミサに集中できません。お祈りしようとしても、『落ちてくれればすべて元通りになる。でも応援しないと。あぁ、やっぱりできない』心が乱れてまったく祈ることができず、辛い時間だけが過ぎていきました。
 「イエス様は誰のところにも、いつでもいて下さいます。」神父様のこの言葉が私に届けられた時、『私、一人じゃない。私のそばにも、息子のところにも、イエス様はいて下さる。』なぜなのかは分かりませんが、ただただ実感できたのです。私は『どうかあの子にとって一番よい道をお与え下さい』とお祈りしていました。嬉しかったです。
 息子は今日も高校生です。わたしはほっとしています。でも一次合格のときのこぼれんばかりの笑顔を思い出すと、『かわいそうだったなあ』と切なさがこみあげてきます。母としてのこの気持ちの変化は、ご復活のときのお祈りがなければ起こり得なかったと思います。だから、イエス様と神父様に心の中でいっぱい『ありがとう』と言っています。


 どんな小さな出来事でさえ、聖霊の助けによって心の中で思い巡らし、そこに神様の現存と働きに気づけば、喜びで満たされ元気づけられます。これからも神様がいつもともにいて下さることを忘れず、この道を歩き続けましょう。毎日、聖霊の導きに支えられて、新たにスタートしましょう。


2.共同宣教司牧への招き
 これから私たちが横浜教区の教会として心に留め、共に思い巡らしていかなければならないことの一つが共同宣教司牧です。すでにこの取り組みへの動きが始まっています。「共同宣教司牧とは司祭・修道者・信徒が共同責任を持って教会の使命を果たす体制と考えています。それぞれの役割をより活かせるような協力体制が求められるでしょう」。(準備会座長・鈴木勁介大船教会司祭)
 梅村司教様は横浜教区における改革の基本方針として、四つの点を挙げています。

(1) 意識変革の優先
 教会は絶えず悔い改めと回心をもって刷新されなければならない。その意味で、組織・制度の改革よりも意識の変革を優先されなければならない。改革の真の目的は、教会の使命である宣教にある。教会の宣教は交わりから生まれ、交わりを目指している。交わりは宣教を引き起こし、宣教は交わり中で完成される。

(2) 多様性の中での一致の原則
 教会の交わりと一致は、決して画一性を意味するものではない。組織・制度面での改革も教区単位で一律に推進して行くことは実際に困難であるし、また適当でもない。各県、各地区の地域性を重んじ、それぞれの特性を活かしながら改革に取り組んでいく。

(3) 補完性の原理・原則
 「トップ・ダウン」ではなく「ボトム・アップ」の方法で進む。現場の声を吸い上げ、大切にし、交わりとしての教会を目指し、草の根からの実践を重視する。それぞれが固有の召命を生き、固有の役割を果たす……それぞれが自分に与えられている特別な恵みの賜物に気づき、それを発展させ、効果的に活用する必要がある。

(4) 人間らしいやり方
 心の通った方法で、急がず、地道に、改革を進める。信頼関係が損なわれることのないように心がける。


 私たちも横浜教区の一員として司教様の呼びかけに心を開き、また神奈川県共同宣教司牧準備会の指示に従って、共に祈り、共に考えながら、「現在の日本に神様が望んでおられる教会像」を探し求めていきましょう。


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