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鷺沼教会月刊誌 Communio (コムニオ 一致)

2005年4月号
ありがとう! そして 行ってきます……
ご復活
「ご復活」
主任司祭 山野内 公司
 
「あなたは生まれた故郷父の家を離れて……」
 11年前、1つの光が、星のように私の人生の空に現れました。はるか遠いところに、でも道の終点にではありませんでした。心の中で「あなたが探しているものを明らかにするため、見つけるためには、他の国ではなく、日本に行くしかない」という声が響いていました。そして、8月15日、被昇天のマリア様の日、私は28年間暮らしたアルゼンチンを出発したのです。36才、現地では春の初めのことでした。
 その日が、私たちの家族にとって特別な意味をもつ日だとは、その時まだ知りませんでした。36才でアルゼンチンに渡った父は、4年後ひき逃げ事故に遭い、意識不明で病院に運ばれました。母を囲み、私たちは一晩中ロザリオの祈りを唱えました。その祈りの内に、母にはある声が聞こえたそうです。「私は、彼の命を取り上げることも、生かすこともできる」と。母は今もこの声を神様からの言葉として受け止めています。そしてちょうど8月15日被昇天のマリア様の日に、父は意識を取り戻したのです。
 この出来事から36年後の昨年7月31日、父は天に召されました。急なことで、葬儀に家族全員は揃いませんでしたが、前々から両親の金婚式のお祝いを計画していた8月15日には、約20年振りに兄弟全員が集まることができ、兄弟4人の共同司式で感謝ミサを捧げることができました。私は、神様がずっと共にいて下さったこと、人間的な弱さや限界などがあるにもかかわらず、神様は始められたみ業を必ず実現なさるということを、改めて深く感じました。
 日本に戻った最初の年は、碑文谷の支部、教会、星美学園にお世話になり、主に日本語を勉強しました。その後、鷺沼に派遣され、またたく間に10年の歳月が経ちました。養成、清め、癒し、学び、深め、慣れ、成長、強化……これらの言葉で表わすことができるこの10年、私にとって本当に大切な時期だったと思います。内にまだ眠っていた自分自身を目覚めさせ、生かすことのできた具体的手段の1つが、聖書と教理の分かち合いでした。また、これは、これからも、どこに行っても大切にしなければならないことと考えています。
 この場をお借りして、私を育てて下さった鷺沼教会共同体の一人ひとりに、心からの感謝をお伝えしたいと思います。共に歩んだこと、祈ったこと、ミサを捧げたこと、働いたこと……本当にありがとうございました! 私の心は喜びで一杯です。また同時に、気がつかなかったこと、傷つけたこと、嫌な思いをさせたこと、期待に応えられなかったこと……心からお詫び申しあげます。
 
「……私が示す土地に行きなさい……」
 時の経過とともに、鷺沼の地に徐々に慣れ、特にこの2年間は、この場所が神様に示された土地と感じるようになりました。そして、次はまた他の日本の小教区へ派遣されるのではないかと思っていた時、ある変化の兆しがありました。去年6月の管区会議Iの時、少し地面が揺れたように感じ、10月の管区会議IIで、はっきりと新たな揺れを感じました。滞日外国人の司牧を、管区として引き受けることが決定したのです。12月中旬、管区長プッポ神父様から、管区評議会で浜松のプロジェクトを始めることを決断したこと、そしてそのために私が派遣されることが告げられました。当初2006年からと思っていましたが、1月末には、プロジェクトのスタートが今年の4月からと正式に決まりました。
 自分の人生を振り返ってみるにつけ、神様の素晴らしい導きに感動を覚えます。7才で家族と共にアルゼンチンへ移住、28年間のそこでの暮らし、36才での日本への帰国、鷺沼での10年の日々、大和での7年間のラテンアメリカ人司牧……そして今回、1万8千人の滞日外国人がいる浜松に、ドン・ボスコのカリスマを生かした国際センター(サレジオ国際センター Salesio Kokusai Center)を立ち上げるために派遣されること、その一つひとつに神様の導きと恵みを感じています。
 本当にゼロからのスタートです。2月にこれから住むアパートを探しに行きました。また、センター用地に関しては、神様が示されている場所がどこであるかを見つけなければなりません。少しずつ動き始めて、大事なことに気づきました。神様があるプロジェクトを始められる時には、多くの人をそのために招いておられるということです。サレジオ会はもとより、梅村司教様をはじめとする横浜教区の方々、静岡県西部地区の教会、また個人的にも神様の声が響いている方々、そして鷺沼教会の皆さま……私には、その招かれた沢山の方々の中でのある役割が与えられているのだと思います。神様の夢は多くの人々の夢でもあります。このような計画に関わるために、自分を一度原点に戻すこと、奉献生活の出発点にあった熱意に戻ること、「オラトリオの心」を新たに生かすきっかけとするという意味でも、個人的には大きな恵みだと思っています。
 この神様の夢、ドン・ボスコの夢、そして多くの人々の夢が実現できるように、皆さまのお祈りと金銭的なご協力をどうかよろしくお願いします。
 
行ってきます……!
 

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