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鷺沼教会月刊誌 Communio (コムニオ 一致)

2005年8月号
被爆60周年、戦後60年
如己堂
長崎で被爆した永井博士の住まい
「如己堂」
「己(おのれ)の如く人を愛せよ」という聖書の言葉から名づけられている
助任司祭 土屋 茂明
 
 日本カトリック司教団が、戦後60年目の今年、「日本カトリック平和旬間」にあたって、平和メッセージを出しています。

「非暴力による平和への道」− 今こそ預言者としての役割を −
 「人間の尊厳」、「アジアの国々との連帯」、「富の公正な分配と環境保全」などの問題を取り上げたのち、「非暴力を貫いて連帯を」と呼び掛けています。
 「暴力の連鎖から抜け出せない現代にあって、この非暴力の精神と実践を積極的に広め、世界の人びとと共有することにおいて新しい連帯を築き、平和のために力を尽くしていきましょう!」
 最後に、教皇ヨハネ・パウロ2世の「平和アピール」の言葉を引用しています。「各国の元首、政府首脳、政治・経済上の指導者に次のように申します。正義の下での平和を誓おうではありませんか。今、この時点で、紛争解決の手段としての戦争は、許さるべきではないという固い決意をしようではありませんか。人類同胞に向かって、軍備縮小とすべての核兵器の破棄とを約束しようではありませんか。暴力と憎しみに代えて、信頼と思いやりを持とうではありませんか。」
 
「原子野からの旅立ち」(女子パウロ会編)
 被爆60周年、時宜を得た出版だと思います。「過去を振り返ることは、将来に対する責任を担うことです」という教皇様の言葉にもありますが、過去の悲惨な出来事を、そして現在もその後遺症に苦しむ多くの人びとのことを心に刻み、これからの平和の建設に向かって歩み出すことは大切なことだと思います。

「父と暮せば」
 井上ひさし著「父と暮せば」(新潮文庫)の「前口上」、少し長くなりますが、引用してみます。
<ヒロシマ、ナガサキの話をすると、「いつまでも被害者意識にとらわれていてはいけない。あのころの日本人はアジアに対しては加害者でもあったのだから」と云う人たちが増えてきた。たしかに後半の意見は当たっている。アジア全域で日本人は加害者だった。
 しかし、前半の意見にたいしては、あくまで「否!」と言い続ける。
 あの2個の原子爆弾は、日本人の上に落とされたばかりではなく、人間の存在全体に落とされたものだと考えるからである。あの時の被爆者たちは核の存在から逃れることのできない20世紀後半の世界中の人間を代表して、地獄の火で焼かれたのだ。だから被害者意識からではなく、世界54億の人間の1人として、あの地獄を知っていながら、「知らないふり」することは、なににもまして罪深いことだと考えるから書くのである。おそらく私の一生は、ヒロシマとナガサキとを書きおえたときに終わるだろう。>

映画「父と暮せば」
 戯曲「父と暮せば」(読売演劇大賞「最優秀作品」受賞)は1994年以来、各地で公演され、1997年にはフランス各地でも上演されています。
 昨年、黒木和雄監督の戦争レクイエム3部作の完結作品として映画化され、岩波ホールで長期にわたって上映されていました。
 この夏も、黒木監督の3部作が、1日1回、PM6:30から、岩波ホールで上映されます。「父と暮らせば」は8月20日(土)から9月2日(金)

 8月6日〜15日は「日本カトリック平和旬間」です。日本の各教区でも平和旬間の集いが行われます。
 新しい教皇様は、第1次世界大戦中、交戦国双方に平和を訴え続けたベネディクト15世のあとを受けて、ベネディクト16世と名乗られました。司教団の平和メッセージは、「私たちもそれぞれの場で、新教皇ベネディクト16世と心を一つにし、平和のために貢献していこうではありませんか」という言葉で結ばれています。
 

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