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鷺沼教会月刊誌 Communio (コムニオ 一致)

2005年9月号
聖体と共に生きる
ご聖体とお年寄り
ご聖体とお年寄り
主任司祭 小坂 正一郎
 
 以前、姉からこんな話を聞きました。姪が言うには「もし、何かあったら、私たちはすぐだめになるだろうけど、ママたちはあの時代を乗り越えてきたのだから、生き残るだけの力強さを持っているのは、ママたちの世代だけだね。」何となくうなずける論理です。戦争中、それに続く戦後の食糧難の時代に飢えを感じながらも耐え忍んで生き延びてくることのできた世代です。たしかに多くの苦労の中をよくぞここまで来たものだと多くの人は思っていることでしょう。確かに、生きるためには食べていかねばなりません。今は考えられないことですが、十分いただくこともできず、ひもじい苦しさの中に耐えねばならないことがしばしばであったわけです。その度にそれを乗り越えて自分なりに今に生き延びてくることができました。
 
 この話を思い出すといつの間にか連想が「オー エスカ ヴィアトールム(ああ  旅人の糧よ)」(カトリック聖歌集242参照)というご聖体の聖歌につながってきます。私たちがこの世を生きていくのは旅人の生き方に例えられています(教会憲章第6章)。この世の旅路にはもちろん身体的な糧とともに、霊的糧の必要なことはカトリック信者として誰しも感じ取っていることだと思います。

 聖体に養われる信仰生活を考えると、第2次世界大戦以後のこの数十年間の大きな変化に眼を見張るとともに、母なる教会がこの世の旅路を歩む信者の糧としてどれほど聖体を大切にしていかねばならないかと教えて下さったことを感謝せずにはおられません。
 何世紀にわたって教会において守られてきた規定は、時代の変化と人間社会の拡大に伴って一律的には規制できない状況が現出してきました。そのため教会は、状況に応じて少しずつ規定を緩和したり、変更したりして、神の恵みをよりよい方法でいただけるように指導し、信仰生活の充実を助けてまいりました。その面で、特に聖体についての取り組みは大いに変化してきました。

 古い信者さんは、戦前からの習慣などに慣れ親しんでいたので、その変化にとまどうとともに、その都度、その変化の意味合いと取り組みの態度について説明され、注意が促されて、理解し実践されてきたことだと思います。昔のことがよかったのではなく、それなりの歴史的な伝統によって生じてきた習慣でしたので、時には宣教地である日本では相応しくないものもあったかもしれませんし、ヨーロッパの一地方の習慣が世界的なものとなって移入されていたこともあったことでしょう。このようなことがもっと現代の生活に即した形で見直され受け入れられたことは、ありがたいことでした。

 このような変化の時代をくぐり抜けながら、昔のやり方が現在の方法に変化していったのを身をもって体験された方がたが、その歴史を今の世代の方がたに説明して下さり、聖体的生活の素晴らしさや信仰生活の恵みを伝えていただきたいと思います。最近ではその結果だけが取り入れられてしまい、その意味合いとか、変化の理由などが十分浸透されず、理解させずに行なわれているのではないかと思われないこともないわけではありません。この努力によってはじめて、もっとよい聖体的生活の教会共同体が生み出されていくことだろうと思います。

 先に引用した聖歌集では「みつかいのパン 旅路の糧 天のマンナよ 心にきたり 飢えしわれらを 満ちさせたまえ」とあります。いま身体的な糧に恵まれている私たちが、心の糧にも恵まれ、より高みを目指して旅を続けたいものです。
 

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