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鷺沼教会月刊誌 Communio (コムニオ 一致)

2017年12月号
ふりむく
主任司祭 松尾 貢
 

神殿への主の奉献(カラッチ画) 与えられたお題は「ふりむく」。聖書の中で、振り向いた人というと、すぐに思い浮かぶのは、創世記19章のロトの妻でしょう。

“ロトの妻は禁をおかして、後ろを振り向き、塩の柱に変えられた”
 この場合、後ろをふりむくことは、一つは意志の弱さを示し、もう一つは過去への執着を表します。しかし新約聖書マルコ福音書5章21節の出血症を患った女性の方を振り向くイエス様の姿勢は、女性を癒し、前を向いて歩みだしなさいと促す慈愛に満ちたお姿ですまた、ルカ福音書2章に登場する老シメオンもいたずらに過去をふり向き、嘆くことはしません。

 シメオンの賛歌 Nunc Dimittis は、教会の4大賛歌の一つに数えられています。高齢者のよき模範とされています。年齢を重ねるにつれて、自分の身体の痛み、病気の心配など、関心と視点が内向きにならざるを得ません。そのような状況の中で、シメオンは、神の霊に捕えられていました。そして、「イスラエルの慰められるのを待ち望んでいた」姿勢にそのすばらしさがよく表わされています。

 ヘンリー・ナウエンとウォルター・ガフニー共著による『闇への道 光への道』という本があります。その最初のページに、白い雪の中に立つ白樺の木に立てかけられた大きな車輪の写真が掲載されています。
 車輪――それは私たちがただ1回限りの生を生きるのだということを表しています。大きな車輪であっても、小さな車輪であっても、車輪は回転します。地面を離れ、地面に戻る。しかし、必ず前進します。
 キリスト教信仰の特徴の一つにAPAX(一回性)ということがあります。私たちはたった一回生きるに過ぎず、人間の歴史のほんのわずかな部分に参与するだけです。しかし、その一回を感謝しつつ、真心をこめて生きることは私たちに与えられた何より大切な務めなのです。

 年齢を重ねることは車輪が回ることであり、少しずつ人生の軌跡を完成させていくことです。その過程で、与えられていた状態から与える状態へと成長することが求められているのです。

 ナウエンの本の原題は『Aging : The Fulfillment of Life』です。人生の仕上げとしての高齢期に、希望を抱き、ユーモアを忘れず、彼方の光を見るという姿勢は、上記シメオンの姿そのものといえます。むかしの若いころをしきりに振り向き、現実を嘆くのではなく、頂いてきた沢山のお恵みに感謝し、天の国に向かって顔を上げて歩みたいものです。
 絶望ではなく希望を、愚痴や文句ではなくユーモアで、うつむくのではなく彼方の光を仰いで歩むシメオンの生き方を目指したいものです。


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